あの日、社会は大きく変わるだろうと思った。変わらざるを得ないだろうと信じた。
「これほどのこと」が起こったのだから・・・と
数多くの人がそんなふうに確信したのではないでしょうか。
いま『3.11から10年』という言葉が溢れています。そう、10年が経ちます。
いったいあの日から、何が変わり何が変わらなかったでしょうか。
人々の悲しみは薄れたでしょうか。悔しさは、苦しさは、救われたでしょうか。
福島は変わらず原子力緊急事態宣言のただなかにあります。
2月13日に起こったM7.3の地震は、多くの人に当時の恐怖を蘇らせ、線量計を確認させ、
廃炉作業中の福一のライブカメラから目を離せず眠れない一夜を過ごさせました。
大きく掲げられた『復興』は、私たちを前向きにさせるためだったのでしょうが、
右向け右の『復興』にならえない人の言葉をかき消し、気持ちのやり場をなくすものでした。
そして、「仕方ない」というつぶやきとともに諦めることを強いました。
私たちは、そんな『復興』は受け入れがたいという思いから、
昨年1年間、「『仕方なし復興』に抗って風を起こす」というテーマを掲げました。
「風を起こそう」と構想したさまざまな企画は新型コロナウイルスによって実現がかなわなくなってしまいましたが、
原発事故後をなぞるような混乱のなかで、
あらためて「何が変わり、何が変わらなかったのか」を考えさせられました。
時薬(ときぐすり)では癒せないものを抱えながら、「10年」が経とうが経つまいが、日々は変わらず繰り返されていきます。
でもその日々のなかで、私たちがどんな未来を描き、行動していくかによって社会の歩みは変わっていくはずです。
そして未来を語ることのスタートはいつだって、過去のあやまちと現在の生き方を問い直すことでしょう。
皆さんと一緒に考える機会を持つため、3日間のオンライン公開ミーティングを開催します。
18:30-23:00
18:30-20:30
県民健康調査検討委員会を「検討」する会 -第6回-
過剰診断論が人々を不安にさせる
昨今、報道などで県民健康調査の甲状腺検査に対する「過剰診断論」が多く取り上げられています。
〈知らなくてもいいガンを見つけてしまうかもしれない〉
本当に「知らなくていい」のだろうか?
ガンが見つかったら最善の治療を行う、経過観察が必要なのであれば適切に見守りをする。医療とはそうあるべきではないのか。
県民健康調査検討委員会の過去の資料を紐解き、なぜ「過剰診断論」が取り沙汰されるのか、それをどうとらえれば良いのか、討議していきます。
喋り手:種市靖行、おしどりマコケン、成井香苗、中村隆市、ほか
day1 3/12(金)
day2 3/13 (土)
13:00-22:00
13:00-15:00
10年のごまかしを可視化する -Part1-
原発事故対応、隠されたもの、見せられたもの
原発事故の取材を10年続け、表には出てこないいろんなことを見聞きしてきたおしどりマコさん・ケンさん。 「ここだけの話ですけどね」「俺の名前は出すなよ」と言われ明かされた話は、表に出す形を整えた話とは全く別だそうです。印象操作に終始した「原発事故の対応」がどのようなものだったか、情報開示で出てきた資料や、現場での動画・録音を用いながらお話しいただきます。
喋り手:おしどりマコ・ケン、種市靖行、鈴木真理、千葉由美
15:30-17:30
10年のごまかしを可視化する -Part2-
2011年4月オリンピック誘致から始まった震災10年
震災直後に表明された五輪誘致は、「復興五輪」を旗印とし、安倍首相の「アンダーコントロール」発言で開催地をもぎ取りました。でも、東電同様またも首都東京の都合に東北は踏みつけられてはいないでしょうか?
喋り手:早尾貴紀、鈴木真理、千葉由美
20:00-22:00
『天福ノ島』アフタートーク
“盗られてもなかなか気づけない”私たちの権利について
原発事故下の10年、被害者がそれぞれの場所、さまざまな言葉で声をあげるとき、その訴えにはしばしば、ひとつのキーワードが通奏低音となってきました。それは、「これは権利の問題なんだ!」ということ。誰もが生まれながらに持っているもの、と言われながら、権利を主張することは憚られるような空気がはびこるなか...
でも私たちは何度でも声をあげるのです。「これは権利の問題なんだ!」
演劇『天福ノ島』のアフタートークとして開催します(直前に配信する『天福ノ島』のチケットを購入された方以外も、ご視聴参加いただけます)
喋り手:早尾貴紀、森松明希子、渡辺一枝、國友裕一郎、織田千代、はっぴースタッフたち
10:00-20:30
10:00-12:00
10年のごまかしを可視化する -Part3-
子どもたちは守られてきたのか
2011年4月。大量にばらまかれた放射能汚染下、例年通りに新学期がスタートしたことに始まり、様々な制限は急いで解除され、子どもたちは元通りの学校生活に戻っていきました。
新しい生活様式を促されることなく過ぎてきた中、子どもたちはこの社会に守られてきたのでしょうか。
子どもたちを取り巻く問題にスポットをあて、原発大国日本に生きる私たちの社会、そのあり方を考えてみませんか?